澄子と直一

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 さもありなん…  自分の妻が、この米倉の豪邸を出て行くのだったら、夫の直一が、この家に留まるのは、不可能だったろう…  当然の選択だった…  「…お父様は、直一さんを、後継者に据えようと思っていたのでは?…」  と、私は訊いた。  訊かずには、いられなかった…  事実、直一自身、自分が、次期社長候補の一人だと自覚していた…  しかし、この眼前の米倉平造が、どう思っていたのか、わからない…  私はそれが知りたかった…  だから、本当は、私風情が、訊いてはならない質問かもしれないが、敢えて、訊いてみた…
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