抜毛症と不登校

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 大幅に話を戻します。  夏休みが明けて、やっぱりりんちゃんが学校に行くのを嫌だと言い始める回数が多くなっていきました。  それと同時に、毎日髪の毛が抜けていく量が増えていき、スカスカになりました。  教科書でしか見たことのなかった落武者姿に大変身。  見るたびに胸が痛みます。  頭頂部がとうとうツルツルになり、前髪もわずかになってしまいました。  最初に協会から購入したウイッグは、前髪と後ろ髪に挟んでつけるタイプなので、頼むからこれ以上前髪だけは抜かないで頑張ろうと何度も繰り返し言いました。  協会でウイッグを購入するまでは、バンダナで髪の毛すべてを包んで隠していたのですが、夏場の暑さもあって辛い思いをさせていました。  それがウイッグでとても快適になり、りんちゃん自身も人前に出るのに恥ずかしさが薄れてくれました。  そのくらい効果の大きいものだったので、付けられなくなることが心配だったのです。  なんとかウイッグは付けられるままでいさせてあげたい。  そのくらい危機的状況になったので、9月に入る頃には、りんちゃんが望む望まないに関わらず、抜き始めて止まらなくなったら保健室へ行かせるというものに対応を変えていただきました。  しかし、それでも改善はされません。  ここでもまた、コロナの壁がりんちゃんに襲い掛かってきたのです。
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