抜毛症と不登校

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 抜き始めたら合図を送るなどして、止めるように促す。  それでも止まらないときには、すぐに保健室へ行くように伝える。  これを担任の先生にしてもらうにあたり、懸念事項がありました。  それは、クラスの同級生の理解を得られるかどうかです。  抜き始めた当初、周辺の席の子たちはびっくりしたと聞いています。  気が付いたら、髪の毛の山ができているのですから、それは驚いただろうと思います。  私たち親ですら、朝山盛りになった髪の山を見た時にはぞっとしたものです。  しかし、それらの状況を知っているのがクラスの一部の子だけだということがあり、先生としてはほかの子の手前、なかなかりんちゃんだけ何度も保健室へ行かせにくいというのです。  確かにそうだと思いました。  そして、一部とは言え、りんちゃんの現状について知っている子たちがいるので、保健室へ当然のように促すようにしてもらうにあたり、クラスの子たちにりんちゃんが髪の毛を抜いてしまって止まらなくなることを公表してもらいました。  そうしておくことで、抜いている姿に気が付いたら止めてもらえるかもしれないことと、びっくりして逆にそれをネタにしてイジメになったりする可能性がなくなるのではないかと判断しました。  知らなかったら、アイツなんか禿げてないか? となりますが、事前にそういう症状が止められなくて困ってると伝えれば、子供たちもむやみに囃し立てたりしないだろうと考えたのです。
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