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加えて、このころからお兄ちゃんまでもが、もにゃもにゃと言い始めました。
「友達に、りんちゃんを見られたくないんやけど……」と。
息子なりにいろいろと理解しているので、そういう気持ちを持ってはいけないとも思っていて、だけど引きこもりになっている妹が恥ずかしいという気持ちも隠せない。
妹は可愛いと思ってるけど、でも俺が恥ずかしいと思う気持ちを持つことまで否定するのはやめてほしい。
そう言ってきました。
ここまで言われては、私たち親から言える言葉なんてほとんどありません。
ただ、りこちゃんにしろ、お兄ちゃんにしろ、私が言って聞かせたのは、これだけです。
「りんちゃんは、今は病気なんだよ。君たちは、病気で苦しんでる人を責めることは正しいことだと思う?
例えば、がんになって、髪の毛が抜けてしまった人を笑ったり恥ずかしく思ったりするの? しないよね。
りんちゃんは、自分で抜いてしまってるけど、それは自分で止められない衝動だし、自分でもしたくないのに、止められなくて苦しんでるよ。ずっとそのことで泣いてるよ。
そのりんちゃんを見てるよね。本当にズルいのかな。恥ずかしいことなのかな。」
これは、病気なんだ。好きでやってることじゃない。
小2には、難しいだろうか。
中1でも、なかなか受け入れられないだろうか。
少し不安に思いましたが、私の思いと伝えたいことが伝わったのか、それからあまり何も言わなくなりました。
もちろん、時々は言います。りんちゃん、まだ学校行かないの? って。
でも、その声掛けの仕方から少しトゲがなくなりました。
それもまた、彼らの成長だと思います。
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