抜毛症と不登校

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 そして何より、りんちゃんの場合、数字の低い=苦手分野においても、フォローがあれば十分に通常学級でやっていける能力がある。  つまり通常学級でやっていける範囲の子なのであれば、自閉症スペクトラム障害とまで言い切れないという判断ではないかとK先生に言われました。  あと一歩フォローがあれば、りんちゃんも今まで通り、通常学級でもやっていける能力がある。  診断は間違いなく自閉症スペクトラム。それは間違いないです。  K先生には改めてバシッと言われてしまいました。  しかしフォローがあれば、やっていけるんだということは何度も言われ頭を抱えることになりました。  そのフォローは誰がするの? どのくらいのフォローが必要なの?  その認識が、私たち親をはじめ、学校にも医師にもはっきりとしたものがありませんでした。  この話が出たのは2020年10月半ばころのことで、私はじゃあどうすればいいんだろうと、また途方に暮れる状況へと変わることになったのです。  この頃私は、やっぱりひまわりではなくてもいいんだろうか? と思い始め、気持ちが定まりませんでした。  またK先生はじめ、I先生からも「手帳取得というほどではないし……」と言われ、抜毛については精神的な不安をゆっくり取り除いてあげることだと言われました。  そして、ろくな話し合いもできないまま、通級の話も全く音沙汰ないまま、担任の先生だけが「ひまわり学級へ移る手続きを実行する」ため奔走し始めるという事態が起こってしまったのです。
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