先生は真実を語らない

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 この先生の懇談があって、ひとまず様子を見ようという雰囲気になり、私からも学習だの発達だのに不安を抱くことはいったんやめにして。  ひとまず、宿題が遅れないように提出できることに力を注ぐことにしました。  とはいえ、私としては本当に大丈夫かな、できるのかな、と心配になっていたので、なるべく叱ったりしないようにして、できるのかどうか様子を見守ろうというスタンスに切り替えました。  そうしたら、今まですごくイライラっとしていたことが、そんなにイライラしなくなりました。  受け止め方、見方を変えれば、全然違うものだなって本当に思います。  そして、見ていたら気が付くことがありました。  机に向かってすぐに娘が飽きてぼーっとしてしまうのです。  それも1分も我慢できません。  りんちゃんおててが止まってますよ~  なんて声掛けを何度も繰り返します。  それでも、お茶を飲みたいからちょっと、とか。  トイレ行きたいからちょっと、とか。  いろいろあの手この手で宿題を中断します。  音読をしないのは相変わらずで、何度もやろう、教科書持ってこようといっても、のらりくらりとはぐらかしてやりません。  どうしたもんかな……と途方に暮れていましたが、なんとか夏休み前に、全ての宿題をやり上げて提出し、先生のゴールラインに辿りつくことができました。  こうしていよいよ、りんちゃんの夏休み、りこちゃん初めての小学生の夏休みがやってきました。
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