先生は真実を語らない

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 りんちゃんの不安なことは、知らない人に平気でついていくところ。  ちょっと変わった人(お察しください)に好かれてくるところ。  勝手に、よその家に上がり込んでしまうところ。  逆に、名前も知らない女の子を家に上げてしまうところ。  などなど。  小1当時は、どうしてそうなったの!? ってことがわんさかありました。  ただ、一つ一つ注意して、ダメだと言っていけば解消してこれたので、そこまでの大事になったことはなかったのですが、お兄ちゃんと比べるとだいぶ不安というところは多分にありました。    それは、女の子という部分も大きかったのですが、不安の尽きないところがたくさんありました。  特に学童に通わせていた頃は、お友達と違う道で帰ってきてなかなか家に戻らなかったり、マンション内でぐるぐるとどこかへ行ってしまって帰ってこないということもありました。    下校から1時間も家に戻らなくて、外を探し回ったこともありました。  だから家でおとなしく待つ、ということができるようになってから、ようやく私は安心することができるようになり、外に出すことを止めてしまったのです。  文字通り、箱入り娘にしていましたが、それで安全であれば構わないと思っていました。  しかし、それで本当に良かったのかと悩むことになります。  夏休みに、一緒に遊ぶお友達がいないことに、ようやく気が付いたのです。
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