読めない手紙

4/6
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
大学生というのは思っていたよりも忙しい。 毎日授業はないはずなのに、レポートや研究発表のために毎日通わなくてはいけなかった。バイトを掛け持ちし、お金を稼いで大学の友達と遊びに出かけた。 男の子とも一緒に遊んだことはあるけれど、お付き合いするまでには至らなかった。私はずっと耕太くんが好きだったからだ。最初の頃は毎日のように眺めていた白い手紙も、耕太くんの横顔も、もう読む方法が思い付かなくなると手に取るのは週に一回になり、実験室にも足が遠くなり、それが月に一回…数ヶ月に一回…になっていった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!