オダマキの蕾

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結局2人でバッチリ遅刻したし、手も繋いでたしってことでこれ以上ないって程に目立った。 音楽の香椎先生は叱ることなく『あらまぁ』と意味ありげに微笑むだけだったが、クラスの女子はキャッキャしながらこちらを振り向くし恥ずかしかった以外の感情はない。 (なんなんだ一体……) 人と手を繋ぐってそんなに不思議なことなのか?皆だってするだろうに。……あ、男子同士ではしないか。 それじゃあ彼もさぞかし冷やかされているだろう、とそっと様子を伺う。 「?」 「!!」 向こうもこっち見てた……! 視線がバッチリ合って、彼はニッと笑う。僕はどんな顔すりゃいいか分からなくなる。 慌てて視線逸らして俯く瞬間、他の男子達がニヤニヤと笑いながら彼に何やら囁いている様子が、一瞬だけ見えた。 (馬鹿らしい) 僕の心は一瞬で冷えて、目線を逸らして窓の外を見ることにする。 今の彼なんて視界に入れときたくない、そう思ったから。
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