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「人って 意外とすんなり死ねるらしいですよ。」
こちらを向いた彼女の顔は 半分が夕日色。
そのまま また視線を落として影を作る。
「どうしてそう思うの?」
彼女と視線の向きを合わせながら、私は問いかけた。
「特に、何かあるとかではありません。」
季節の変わり目にふさわしい
ヒヤッとした小風が撫でた先
髪の中から見えた顔は
スッと整った 百合の花
だけど どこかが折れそうな
「ただ、想像しただけです。」
ゆらりゆらりと光がさして 3分の2が夕日色。
でもいつしかそれは 消え去っていく。
私は彼女の変化を 心の中で楽しんでした。
「ここから飛び下りれば 一発なんです。」
彼女はおもむろに呟くと
身を乗り出した。
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