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だって、知らなかった。好きでもない人とセックスしているときは、なるべく何も考えないようにして、ずっと相手本意の抱かれ方をしてきたから。
涼風を困らせるつもりは毛頭ないし、早く繋がりたいと立花だって思っている。
キスをされたり、触れ合うのにも泣きたいくらいに幸せを感じるけれど、発情している身体には辛かった。
「あ、あぁっ……。……らめっ、うごかさないでぇ……!」
埋まっている指が腹側にぐい、と曲げられて、立花は息を乱す。
内腿にかけていた力が弛んだと同時に、さらに指を足されて、隆起した場所をなぞられる。
「そこ、いや……あ、あぁ、ん……っ。いっちゃう……や、あぁっ、あ……!」
激しく出し入れされると、後ろから分泌される粘液の量も増す。
だらだらと溢している精液の量よりも多く、シーツと涼風の手をしとどに濡らした。
「前と後ろで一緒にいったの?」
恥ずかしい台詞に、立花は目を潤ませながらいやいやと首を振る。
ぐずぐずと鼻を鳴らす立花に、涼風は再びキスの雨を降らせた。
決して立花を乱暴に抱いてしまわないように、理性を働かせていた涼風の表情が曇る。
涼風のことも気持ちよくしてあげたい。
そうは思うけれど、達した疲労感も相まって、身体はいつにも増して重い。
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