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「キス、したい……。もっと、たくさん……キスしてたい」
ちゅっ、と白い肌を吸い上げていた涼風は、立花の呟きに気付いて今度は唇にキスを落とした。
舌を絡ませ合い、立花の狭く熱い口内を何度も行き交わせながら貪った。
しばらくそうしていると擦れあって腫れぼったくなる。
涼風は困った顔をしてちょっと待ってね、と夢中で唇をくっつける立花をかわした。
それでも立花は唇を尖らせて、キスをねだる。
これでは当分の間項を噛めない。困った、と涼風は笑った。
体勢を変えて再び立花を抱こうとしたとき、涼風は眉間に皺を寄せる。
彼の視線が一瞬だけ立花のほうを離れて、包帯の巻かれている手の甲へ移ったのを見逃さなかった。
抑制剤の効果が切れた立花と2人きりになったときに、不本意にヒートを迎えた彼がどうにか理性を繋ぐために自傷したものだ。
落ち度は自分のほうにあるのに、結果的に涼風を傷つけしまった。
痛みが伝わってきて泣きそうな顔をしている立花に、「大丈夫だよ」と涼風は気遣う。
「その……僕が動きます。……上手く出来るかは、分からないけど」
「立花君こそ辛いだろう。ひびはもうほとんど繋がってるんだよ。……激しくしたから、痛んだかな」
恐らく本気で辱しめている訳ではないのだろうけれど、「激しくしたから」なんて聞くと、顔が一気に火照る。
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