翁の憂鬱

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次の日豊作の幼稚園からの幼馴染である取谷 達夫(とりたに たつお)通称たっちゃんから飲みのお誘いが来た。 夜、いつもの“居酒屋与太郎(いざかやよたろう)”に行くと、たっちゃんはカウンター席に着き、先に1人でタコワサをつまみにビールを飲んでいる。 「おーー!!遅かったねぇ〜〜。竹ちゃん、先始めてるよ」 と、たっちゃんは隣の席のイスを引いた。 「大将!!唐揚げとポテトサラダ!!あと白いご飯頂戴!!」 豊作は座ると同時に早口で注文した。 「竹ちゃん、ビールじゃないの?」 たっちゃんが笑いながら言うと 「今、僕はアルコールよりね、油と塩分と糖質を欲しているんだよ!!」 あまりに豊作の顔が真剣なので、たっちゃんは笑顔を消し静かにビールを飲んだ。 豊作の前に、にんにくと醤油の香りがするまだ油がピチピチと小さく音を鳴らしている揚げたての大きな唐揚げと、大きめに切られたきゅうりと玉ねぎ、ハムがざっくり混ぜられたポテトサラダ、そしてお茶碗に山盛りに盛られた白いご飯が出されると、豊作は両手を頬に当てながら乙女の様に目をキラキラさせた。
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