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「さぁさぁ、いよいよ主役のご登場!! 少しは冷めたかな? 僕は猫舌だからね。熱々だと食べれないの。我慢していたんだよ〜〜」
と舌舐めずりをしながら箸を大きな唐揚げめがけぶっ刺した。
と同時に唐揚げから溢れた肉汁が飛び出し豊作のおでこに直撃する。
「アチィ!!」
豊作はおでこを抑えて悶絶したかと思うと、急に立ち上がり怒り始めた。
「何だよ!! 焦らしておいてこんな仕打ちを受けるなんて信じられないよ!! これってさぁ、僕に食べられたくないって事な訳? 僕は君にお金払っているんだよ!?」
たっちゃんは慌てる様子もなく慣れた様子で豊作の背中をまるで子供を落ち着かせる様にゆっくりとしたリズムで優しくたたくと
「そうだよなぁ〜〜。竹ちゃんもびっくりしたよなぁ〜〜。でもこの唐揚げは竹ちゃんに食べて貰いたいと思ってるぜ〜〜?」
と優しく囁いた。
豊作は昔からそういう所があるのだ。いつもはとても穏やかで温厚な性格なのに、よくわからない所で急にキレたりする。たっちゃんはもう何十年もキレた豊作を見てきている。豊作の扱いなど慣れたものである。
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