二章

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「ふふ、公祐嬉しいみたい」 料理を待っている間に、おばさんは優しい笑顔を浮かべながらさっきまでお客さんが座っていたカウンターのテーブルを拭きながら話しかけてくる。 「そうなんですか?」 「ウルセェぞババア!」 チキン南蛮のお盆を抱えた公祐が怒鳴った。 「誰がババアよ! ほんっと25歳の癖に子供みたいね!」 おばさんは息子には手厳しい。 「25歳?」 「そうなのよ、恥ずかしいでしょ」 意外だ。私の職場の同年代の後輩はもっと落ち着いた印象だが。 「もっと若く見えた」 公祐はちょっと舌打ちをする。
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