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しっかり完食して今度は代金を支払い、スタンプカードにハンコを押してもらったあと、店を出ると公祐はそのまま後をついて来る。
「来週、新メニューだからな」
わざわざ帰り際に言うくらいだから美味しいのだろうか。
「新メニュー? 何?」
「カキフライ定食」
そういえばそろそろ、牡蠣が美味しい時期になるっけ。
「わかった。また来るね」
「おう」
私が駐車場に向かう信号を渡るまで、公祐は店の前でずっと立っている。口は悪いけど、わりと優しい性格らしい。
次の週にカキフライ定食を食べた後、公祐はお会計をした後玄関まで出てきて「来週は和風ソースを新しくしたからおろしハンバーグ定食」とメニューを決めてしまう。私もいちいちそれを食べる必要はないのだけど、次の週は律儀にそれを注文する。すると公祐がお会計の後「うちの麻婆豆腐美味いぞ」と言うので次は麻婆豆腐丼にする。いつのまにか、公祐が次の週のメニューを決めて私はそれを食べるのが暗黙の了解になっていた。
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