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「お待たせしました。秋野菜の天ぷら定食です」
公祐はそっとサラリーマンのテーブルに料理を置いてさっさと行ってしまう。サラリーマンは「せっかちだね彼は」と笑いながら手を合わせ、「カボチャが甘い」と呟いた。
「……どうです? ちょっと僕と付き合ってみませんか」
どこに。あ、いや告白か……
「えっ!」
「はは、驚いてる」
「そ、そりゃ驚きますよ!」
名前も知らない人に告白なんかされたことない。
「あぁ、名乗ってませんでしたね。僕は井納誠二です。よろしく初音さん」
私がぽかんとしていると、井納さんは名刺を出しながら少し茶目っ気のある瞳を覗かせた。
「名前知ってますよ。いつもあの男の子が貴女をそう呼んでるから」
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