四章

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「俺、料理できるし長男だし、女子力ないお前でも女として見れるし、すげーいい男だと思うけどっ!」 「……だからなに」 「だぁもう! だから!」 かつてこんなに乱雑に私の腕を引いて、強引に抱き竦める男がいただろうか。でもまぁ、耳まで真っ赤だし、私はあったかいし、最後の一言が言えたら許してあげることにする。 「言わないとわからないんだけど」 苛立ちが紛れた舌打ちが耳を心地よく撫ぜて、「この人で最後かな」と笑ってしまう。ようやくしびれを切らした彼が、大きく息を吸ってやけくそのように叫んだ。 「俺にしろ!」
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