二章

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二章

次の日、腫れた目にコンシーラーを塗りたくって出社してあんまり顔を見られないように仕事をしていたのに、空気を読まず的場さんが顔を覗き込んできた。 「長束さーん……」 「なんですか?」 もういいコイツにどんな顔見られても。私は諦めて的場さんに顔の正面を晒す。 「男できた?」 本当に的場さんはブレない。 「できてないですよー、紹介してくれるんですか?」 「俺にそんなツテある訳ないじゃない。いや、なんか今日の長束さん、目が腫れぼったいけど肌のツヤいいし2%増しでいい女オーラ出てるから」 むしろ彼氏でもないのに何で2%の違いに気付いたんだよ。 「的場さんが気づかなかっただけで私はいつでもいい女ですよー?」 確かに、化粧のノリは良かった。気分はスッキリしているし……あぁ、そういえばあの男、顔だけは良かったな。気のせいだろうか……もう一度顔を見に行こうか。チキン南蛮の味見もしてあげないといけないし。
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