晴れた日に花束を

一年後

誰も居なくなった病室。否、そこには哀れにも一人取り残された少女がいるだけだ。
病室は月明かりと共に夜を迎えるーー。
青白い光に照らされた病室の眠り姫は、病的であるが儚く、いっそ神秘的ですらあった。
しかし、
誰も犯せないはずの『聖域』は、
この日を境に壊されることとなる。

バリィィン！

少女が2年間守られてきた白い檻に入ってきたのは、紛うことの無い異物だった。