エピローグ

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エピローグ

最恐の英雄として俺(カヤト)はSSSランクの冒険者として討伐ミッションをこなしていた。パーティーなど組む必要も無かった。各地のダンジョンから魔王が生まれるのだがその魔物ランクは「A」つまり俺一人でも余裕だった。魔王を倒せば、そのダンジョンは少しだけ動きが停止する。その合間にダンジョン内で生み出される宝物を集める。この方法が一番収益が良かった。SSSランクとは“神に匹敵する”とされる強さと知性を必要とするランクだ。Fランクから始まり、大抵の冒険者はD〜Cランクで終えるのが普通で町のギルドに2人ほどBランクがいるぐらいだった。つまり、SSSランクの俺は異常な程強く賢かったというわけだ。しかし、それが一番まずかった。俺の仕事のせいで、下級冒険者たちがダンジョンの中に入れなく、山などに住み着いた魔物しか討伐出来なかったのだ。そに為か、俺は多くの冒険者からの反感を買ってしまった。こうなってしまったら、俺にはどうしようも出来なくなった。 活路を探し、俺は魔法の研究に莫大な資金をつぎ込んだ。 そして、数ヶ月。金貨300億枚つぎ込んで「転生魔法」を開発した。誰もが不可能とした魔法だ。 金貨1枚は銀貨10枚、銅とニッケルを3:1で混ぜて合わせた白銅貨100枚、銅貨1000枚に該当する。 この研究で俺の財産は半分程消えた。 「時はきた。そこにいるのか?」 ふと神の気配を感じた。答えはなかった。 《幽体離脱・身体抹消・時空改変・世界分壁透過・魂胎児結合》 俺は別世界に飛び立った。 途中に神に何か言われたが、聞き取れなかった。 そして、十数年後俺は高校に通うこととなった。 俺の向かった世界は良く言えばとても平和で、言い換えると、とても退屈だった。俺のいた世界との金銭感覚は、銀貨一枚が千円という事だ。 入学式はとっくに過ぎ、夏休みも終わった。今日からもつまらない一般教養を頭に入れに行く。 正直に言うと、名称以外は俺のいた世界と同じなのだが。
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