実戦演習

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実戦演習

俺、カヤトは取り敢えずのランク上げの為、ダンジョンに入る事となった。 だが、俺には不満が溢れている。 王からの命令でもあるが、勇者となった西園寺が中心で行動するというには残念であるとしか言いようがない。 「君たち。僕についてきたまえ。」 相変わらずキザな態度である西園寺はダンジョンを甘く見ているようだ。 俺の経験上だと、Fランクの冒険者は、5〜6回の仕事(森などに住み着いたゴブリンを数体蹴散らすと言う仕事)をこなすだけでEランクになれたはずだ。ダンジョンの一層でもEランクの冒険者団が壊滅させられた事もある。実戦経験がないリーダーの元同様に実戦経験がない部下がダンジョンに挑戦するなど大変に決まっている。死傷者は確実ではないか。 王は、異世界召喚者がチートスキルを使いこなせると誤認しているのだろう。そうでなければ、異世界から人を召喚した人を直ぐにダンジョンに放り込まない。本来なら、戦闘訓練を行わせるべきとこである。 王は就任して長く立つため、多くの経験を積んでいたはずだが、召喚した人々を迎い入れるには知識や経験が不足していたのだろう。 (面倒なことが起きなければ良いが…) 「ではでは君たち。僕について出発だよ。」 西園寺が王からの差し入れの剣をさげ、出発した。男子の一部と女子の半分はすぐに後に続いたが、その他は苦笑いを浮かべながらのんびりと歩みを進める事となった。 ダンジョンに着いたのは日が昇りきったぐらいの時であった。 ダンジョンの入り口付近には数多くの冒険者団が集まり、数多くの商店が並んで賑わいを見せていた。 生憎だが俺たちは皆、無一文の状態である。支援者の協力を受けようにも金が無いのなら協力を得られるはずがない。向こうも、命がけの仕事なのだ。 たかが一層だと舐めていてはどれだけの命があっても無駄になるだけであろう。一層に多く生息しているのは、Eランク以上に分類される魔物が在来の魔物である。Fランクの冒険者には少し重荷であると言ってもいい。 因みにだが、Fランク以下に分類される魔物は森の中の中で繁殖している物がほとんどを占めている。 例外だが、Fランク以下の魔物でも、昆虫類や爬虫類、魚類、ゴブリン類を含めた哺乳類魔物はダンジョンにも生息している。 どれも人間の手によって放たれた生物だとされているが。それらの魔物が多く住んでいるのがダンジョンの一層だ。ゴブリンやオークなどの魔物は上位種などが一般種を従わせて統制を取って行動する事が一般的などで未熟な冒険者団が遭遇すると命を落とす可能性がある。 この事を知らせなっか俺はあとあと後悔する事となる。 「さぁ!!冒険だ!!」 相変わらずのキザ男リーダー(勇者)は、俺たちを導くようにダンジョン(ダンジョンランクD)に突入していった。
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