5人が本棚に入れています
本棚に追加
結論から言おう。
上手くいかなかった。
凡夫が無駄に尊大にすると嫌われてしまうのは、どこの世界でも同じらしい。
だが、これ以外の喋り方を僕は知らないのだ。
何しろ、元の世界では僕以外の全員が阿呆か馬鹿だったのだから。
「こんなの小学生でもわかる」
こちらではそう言われてしまうのだ。
聞けば小学生というのは子供の事ではないか。
全く持って侮辱的なその言葉に腹を立てても、何も言い返すことは出来なかった。
実際、僕は何もできなかったのだ。
瞬く間に僕は孤立した。
間もなく、僕がここにきて一年が流れようとしている。
何度も態度を改めようとしたが、どうしてもできなかった。
つい、人を小馬鹿にしてしまうのだ。
思えば勇者殿はこんな僕に良く付き合ってくれていたなぁ……。
ああ、あの頃が懐かしい。
孤独は辛い。そろそろ限界だ。
何か、何か策を考えねば……。
最初のコメントを投稿しよう!