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慌てて部屋中を調べた。何か手掛かりになるものは。
一体僕はどういう状態に追いやられたんだ?
早速、色々と確認して分かった。どうやら僕はこの世界の文字を読むことができる。意味も理解できた。
そして今の僕は仰木透という名の青年らしい。鏡を見た時には気付かなかったが、年はまだ二十三。彼は取り立てて言うべきところの無い丸出しの凡夫だった。
狭い部屋で一人暮らしているところを見ると、貧民の出なのだろう。
しかもこの世界にはどうやら魔法が無かった。どうやっても火の粉一つ現れてはくれなかった。という事は、この醜悪な姿で生きて行かねばならないという事だ。
さしもの超天才魔導士も、魔法が使えないのではお手上げだ。
仕方ない。この世界にアジャストしていこう。
なぁに、僕は天才だ。そんなもの、朝飯前に決まっている。
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