転生者達

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 そんなある日、僕は一冊の本を見つけた。  この世界では雑誌、と呼ばれるものだ。  ここに魔法は無いと言ったが、どうやらそれと似た現象は起こるらしい。  それらを調べれば、いつかは魔法に辿りつけるかもしれない。そうすれば、元の世界に今一度戻る手段も見つかるかも。  そう思い、僕はその雑誌を購入した。  失われた大陸、宇宙人、オーパーツ……。意味は分からないが、人知を超えた力が存在しているのは間違いないらしい。超能力、というまさしく魔法のような力もあるらしいではないか。  こんな本がこちらでも売られているなんて。  一体、誰が買うと言うのだろう、こんなもの。  いわゆる人間たちから見れば、こんなものは相当胡散臭いはずだ。  僕がこちらに来た初めの頃、魔法の有無について誰かに聞いた時、心から馬鹿にした視線とともに、あるわけないと言われたのは今も忘れない。
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