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転生者達
魔王の力は強大だった。
「みんな、気をつけろ!!」
勇者殿が叫ぶのと、魔王がその付き出した指から雷を放つのは同時だった。
「な、おい、肉団子!! 早く僕を守れ!!」
「こっちは手いっぱいだべ、耐えてくんろ」
ちょ、おい、僕を守るのも役目だろ。
何のためにお前に防御魔法かけてやったと思ってんだトンチキ……。
「うわぁぁぁぁ!!」
体を貫きすさまじい衝撃。
「トルファーン!!」
勇者殿の叫び声。
悪いのは、そこの脳筋おっさん戦士ですよ勇者殿。
そう言いたかったけど僕の口はもう動かなかった。
それだけじゃない、自分の体なのに自由になる部分はどこにも無かった。
意識だってその例外じゃない……。
もう、ダメ……。
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