プロローグ

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プロローグ

 (ゆう)はいつものようにベッドから体を起こす。  階段を降りると家族がもう朝ごはんを食べていた。 「おはよう」  弁当をいつものように四人分作っている母。 「おはよう」  新聞を読みながらコーヒーを飲むサラリーマンの働き盛りの父。 「おはよう。」  社会人になったばかりの兄の琉は真新しいスーツを椅子にかけてトーストをかじっている。 「おはよ、お兄ちゃん。愛ちゃんもおはよーってしようね」  中学三年の妹の(めぐみ)、一番下の妹で赤ちゃんの(あい)。母さんの代わりにお世話しているようだ。  どこにでもいる、普通の家族というものの一つ。  しかしこの半年後、この普通の家族が壊れていくのであった。
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