知らなかった君たち

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そしてその日の帰り……黒部と別れた悠は最近できたばかりのコンビニに向かった。 制服で入るのは、と躊躇したようだが、なんとなく吸い込まれるかのように、あとで思えば運命だったのであろう。  あまりコンビニというものはこの街になくとても珍しいものであった。だからゆえに悠はワクワクした。窓際一面に雑誌が並べてあり、水着の女性が表紙の青年誌、裸の女性が表紙の成人誌に悠の体内はドクドクと一部分に血液が流れていく。  他に目をやるとコン●ームが置いてある。薬局にしか置いてなくて買いづらいと思っていたが、ここで買えるのかと悠はその前を行ったり来たり。  それを繰り返した3回目であった。さっきまでいなかったはずの同じ制服を着た男子が立っていた。夏なのに長袖のシャツではあったが。  女の子のように綺麗で肌の白くて細いお人形さんである。  その男子は手にさっきまで悠が気にかけていたコン●ームを持っていた。  と思ったらさっとカバンに入れ、何食わぬ顔で早歩きでコンビニから出ていった。  
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