出会い

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出会い

 悠(ゆう)は新しいクラスに入ると、仲間同士で群がってるところを通り抜けて自分の席に座る。  彼は特に友達はいない。無視されてるわけではないが必要な時に声かければ自然と輪に入れる。だから普段から群がる必要はないのだ。  すると横の席に一人、悠の見知らぬ男子が座った。とてもおどおどして挙動不審。 「はじめまして。」 「おう。見ない顔やないか」 「……一年間、保健室で授業を受けてた」  くりっとした目で悠を見る彼。 「中学の時に体を壊して……入退院繰り返してて、なんとか一年は保健室で勉強して、今年から教室で受けることになったんだ。」  しかしそのときだった。  
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