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じわじわっ、と彼のズボンが濡れていく、そしてすぐに足元は池のようになった。
近くにいた女子は悲鳴をあげ、つるんでた男子たちは汚い!と大きな声をだす。
悠はびっくりしたがそのままでいて、彼を見る。
「久しぶりの教室で緊張しておしっこ出ちゃった……」
ニヤッと笑う彼の名札は黒部と書いてある。誰も黒部を助けようとしない。ざわつき、軽蔑の眼差した。
悠は
「誰か雑巾持ってこい!」
と怒鳴ると男子の一人が雑巾を投げてきた。女子はまだキャーキャー言ってる。悠は睨みつけながら雑巾を掴み尿の池を拭いた。
「ありがとう……坂木くん。」
これが悠と黒部の出会いだった。
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