ワーウルフ・ラークス

落下

　人狼と人間が手を取り合い、共存する街、アディオ。
　そして、この街にはダンジョンが存在する。塔型で雲を貫くほど高いダンジョンの『イーシオ』。街角の穴からしか行けない深さ不明の地下穴型ダンジョン『ソウル』。雲一つない快晴の日しか見ることのできない巨大浮遊階層型ダンジョン『ウージ』。ウージの周りにある浮島型ダンジョン『イドラ』。
　この街の掟を破るとソウルに落とされる。その掟を破った狼と人間が今日も落とされる。

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「ガルルルルルルッ…」

　僕はシロ。人間の母と狼の父から生まれた白毛の人狼で五匹兄弟の一番下、五男である。
　そしてここはソウルの入り口である穴の一歩手前。
　何故なら、人間との喧嘩で掟を破ってしまったのだ。兄達も同じく掟を破った。最長男で真っ黒な毛のクロ、次男で赤毛のシン、三男で金色の毛のキナ、四男で青毛のソウと共に穴へ落とされた。