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『幸へ。
幸、お手紙たくさんありがとう。写真も見ました。とっても大きくなりましたね。
それに、たくさん漢字も書けるようになったんだね。えらいね。幸の成長がたくさん見えて、お父さんもとってもうれしいです。
でもね、幸。
お父さんもとっても幸に会いたいけれど、会いに来るのはあと九十年くらいは先にしなさい。
幸の名前は、お父さんがつけました。
幸は、しわしわネームだ、と言ってあまり好きではなかったようだけれど、お父さん達がとっても考えて、これがいいと思って決めた名前だから大事にして欲しいです。
お父さんとお母さんにとって、一番大事なことは、可愛い可愛い娘がいつまでも“幸せ”に生きてくれること。
それ以上に、大切なことは何もありません。
だから、幸がそうであってくれるようにいのって、幸、という名前をつけました。
お前が大人になるまで、傍で見守ってやれなくてごめんね。
東京で、事故にあったりしてごめんね。
でも、幸にはわからなくても、お父さんはずっとお前のことをお空の上から見守っています。
幸が書いてくれたたくさんのお手紙も、ちゃんと読んでいます。
だからどうか、さみしいなんて思わないで。
お前はずっと、ひとりぼっちなんかじゃないんだからね。
お父さんからのお手紙は、きっとこれで最後だけれど。
でも、幸のお手紙は、ずっとずっと待っています。
また、お手紙をください。
大好きな、大好きな、可愛い幸。どうか、幸せにね』
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