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──徳川の元から、解放されたあと。
大学を
『個人的事由』
から離職した皇紀の元に、徳川の出廷に合わせ証人として裁判所へ足を運ぶよう要請があったのは、それから半年後のことだった。
その年での結審とはならず、つい最近まで徳川の裁判は続いていたが、よほど腕の良い弁護士を雇ったらしく、徳川に下された判決は執行猶予のみという、実に後味の悪いものであった。
しかし、である。
『やられっぱなしは、男の沽券に関わるんでね』
結審後、枻斗と皇紀の前に姿を現した長谷部は、徳川が自称・会社として私益を肥やしていた組織を壊滅させた、と得意気に語り、去って行った。
…そして。
やっと、この凪いでいる海のような穏やかな生活が、二人の元に訪れ。
人気のない夕暮れの浜辺で、一目を気にせず寄り添う時間を堪能する日々を満喫していた。
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