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「!」
「出会ってすぐ、皇紀に夢中になった今と同じく…絶対、皇紀に溺れるくらい恋するよ」
「──枻斗」
合わせた胸を離して視線を結ぶと、涙で瞳を潤ませていた皇紀の前で、枻斗がいたずらっぽく笑った。
「さっきはああ言ったけど。 別次元の話なんて考えられないくらいオレは皇紀に夢中なんだけど…愛が足りないかな?」
胸は離しても、腰に巻きつけた腕を解いていなかった枻斗はそう言うと、皇紀の下肢を自身に引き寄せ、合わせた。
「っ」
お互いを強く意識させるその物腰に、枻斗の思惑を感じ取った皇紀は一瞬視線を下ろし、眉根を顰めたものの。
夜な夜な、枻斗と互いの愛情の塊を分かち合っている記憶が脳裏を過ぎ行く様を見た皇紀は破顔すると、俯けていた顔を上げて枻斗の双眸を見つめ返した。
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