進路が予測できません

Episode02

　台所でヨーグルトの蓋をあける。これが終わったらしばらくヨーグルトはいいかなと思う。供給過多になると胸焼けしてしまう。

　付属の紙のスプーンを折って形を整える。おまけで付いてきたものだから使えばいいと思うのに日向は小さくて使いにくいと、一回使ったきりやめてしまった。そのせいで紙のスプーンだけが大量に余ってしまっている。シンクには、日向が使ったらしいスプーンが一本だけ放置されている。一本ぐらいどうして使ったあとにすぐ洗うことができないんだ。ていうか口につけるものを無防備にシンクにそのまま置くとか……。条件反射的にそれを洗いながら、ハッと、どうして紙スプーンを使った自分がスプーンを洗っているんだと理不尽に襲われる。

　そして、こういう些細なひとつひとつを理不尽、ととらえ、損にカウントしている自分の狭量さに嫌気が差す。