誰かと誰かの「手紙」

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誰かと誰かの「手紙」

 『私』から『貴方』へ  まずはこんにちは。  手紙の始まり方ってこれでいいのかしら、ちょっと迷うわね。  それで、ええと。  今日から『私』は『貴方』に手紙を書きます。  というのも、『私』は『貴方』に殺されてしまったものだから、直接会話をする手段を失ってしまったの。  だからこうして手紙を書くことで、『貴方』とまたやりとりしようって思ったわけ。  なぜ今時手紙なのかって?  私だって、パソコンなり、携帯に残すなりした方がよっぽど楽よ。  でもね、手紙だと誰が書いたのか一目でわかるじゃない。  せっかく残した伝言を、悪戯か、ウイルスに感染したとでも勘違いされたらたまらないもの。  そういうわけで、手紙という手段を選んだの。  今回はとりあえず、これだけ伝えたかった。明日、また手紙を書くわ。できたら返事を頂戴。    『貴方』に殺された『私』より
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