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ブチブチと不満を愚痴りながら暫し休憩して
「んじゃそろそろ先に進むか」
と渋々立ち上がった。
崩れた壁のあちらこちらから月明かりが廃墟に入って来てる。
暗闇に目も慣れて来たからそろそろ明かりを灯す術も要らないかな。
俺は杖を掴んで、更に上の階を目指すべくまた階段を今度はゆっくり昇る。
一応各階を霊視しながら確認したが特に単体の地縛霊はいなかった。
スケルトンも上階に行けば行く程数が減っていたから、多分下の階に大半集まってたのかも知れない。
多分俺が廃墟に入って来たからみんな下に向かって来てたんだろうな。
なるべくゆっくりした歩みで周りを確認しながら移動して更に30分くらい掛けてようやく10階まで辿り着いた。
廃墟に入る前はあちらこちらの窓から外を見る霊が多数いたのに、この階に来るまで全く霊は見なかった。
もしかしたらさっき外の浮遊霊を除霊したから内部の地縛霊に警戒されたかもしれん。
そうなると、最上階に全部固まってるのかもしれない。
俺は「はー…」っと息を吐き出した。
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