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 僕が驚いたことは、同僚からの露骨なイヤガラセと陰口だった。 前の会社では自分のペースで自分のやりたいように仕事を進めることができた。 ただここではそうはいかない。  案件登録のデータベースの操作や顧客管理システムの登録方法など誰もなにも教えてくれないばかりか、先輩社員たちから不本意なヘルプ―雑多な資料作成―を山ほど命じられた。  そのくせ先輩たちからはなんの助けもなく、またあからさまに僕を無視する人たちも複数いた。同僚たちのあいだでは平気で人を批判する罵詈雑言が飛び交う。 要するに自分以外は敵であり、歓迎されざる好敵手ということだ。まさにケイオス! 僕は徐々に疲弊していった。
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