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 なぜだろう? 僕はとくに何も考えることもなく、ほとんど本能的にこの米富軌道の廃線をひとり訪れることにした。 探訪? いいや、決してそんな能動的な行動ではない。 郷愁? それもまた違う。僕は三橋町になんの想い出も理想も抱いていない。  じゃ何のために? うん、僕はここでただ気ままにこの世界から消滅したいと思っている。 人々からその必要性を乞われることのない哀れな廃線の同類として。
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