まるでマンジュウのような晴れた日は

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まるでマンジュウのような晴れた日は

今年のバレンタインデーの頃なんですが、『チョコレート』を題材に短編小説を書こうとしてました。 内容としてはチョコレートが禁止された閉鎖的な学園で、好きな人にバレンタイン・チョコを渡そうと奮闘する少女の話。 結果としては書きませんでした。 似たような題材を本屋で見つけてしまって、書けなくなっちゃったんですよね。 話は大きく変わるんですが、僕は大の甘党です。 コンビニスイーツとか大好きです。バナナロールとかよく買います。 ファミマで出てる、ミルクレープバウムもお気に入りで、まだ食べたことのない甘い物が好きな方は是非食べてみて下さい。 そのなかでも、最近特によく買うのが『かりんとう饅頭』。 程よい甘みのある餡子が、芳ばしいカリントウ生地に包まれる素敵な一品ですね。さくっとした食感の黒糖生地とよく練られたこし餡を一緒に頬張ると、口の中に色彩豊かな甘みが広がっていくのがまた堪らないです。お供は温かい焙じ茶がいいです、個人的には。 洋菓子か、和菓子か。 そう問われると、甘い物好きとしてはかなり難しいです。 犬派or猫派とか、朝はごはんorパンとか、究極の選択系に難しいのですが、気づいたらみたらし団子とか手に取ってるので、おそらく和菓子が好きなのかもしれません。 ☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆ ところで、ちょっと前にテレビを見ていたとき、ある女優が「餡子が苦手」と言ってました。餡子が嫌いな人なんているんだなあ、と思って結構印象に残ってます。 けど、よくよく思い出してみると、餡子が苦手な人って多いんですよね。 小学校で栄養士をしている友達も「最近の子は給食で餡子モノを出しても食べてくれない」と嘆いていたし、身近にいる二十代くらいの「若い人たち」も餡子を苦手にしてる人が思っていたよりいます。 彼らに苦手な理由を聞くと「口の中がベタベタするから」とか、「好き嫌い以前に選ばない」とか、理由は様々でしたね。 思ったんですが、和菓子って触れる機会が少ないですよね? コンビニでもレジ前商品として扱われていて、それなのに扱いが雑だし、並べられてる品物を見ても地味。 じゃあ和菓子屋に行こう、と思ってもネコの集会場みたいな裏路地の変なとこにあるし。 あれ、わざとなんですかね? 「欲しい人だけが来ればいい。あとは知らん」みたいな職人気質の表れなんでしょうか。旅行先とかでびっくりするほど閑静なとこに和菓子屋があると、そんなことをつらつらと考えてしまいます。 ☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆ 一方でチョコレート。 コンビニで手軽に買えるし、商品開発が進歩してスマートに食べられるし、パッケージも華やかだから一角を埋めても人目を惹くのも強みです。 そして味。 色んな企業が参入してるから一口に『ミルク・チョコレート』といっても成分が少しずつ違っていて選択肢が広いですよね。 また、味のことを言ってしまえば季節ごとのバリエーションが豊富です。 何よりも、バレンタイン=チョコレートを定着させた企業努力が、チョコに対する人々の価値観を飛躍的に上げましたよね。 個人的なイメージなんですが、 ・チョコレート→ベンチャーの社長 ・饅頭→歌舞伎役者 擬人化したらこんな感じになる気がします。 擬人化させた小説は書きませんが。 ☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆ そういえば、いま思い出したんですが、落雁と言ってもピンとこない人が意外にも多くてジェネレーション・ギャップを感じた記憶があります。 『脆いモノ』に対する比喩はビスケットとかのほうが分かりやすい、今日この頃。 和菓子を使った上手い喩えはないものかと、ドトールのどら焼きを見つめながら今日もそんなことを考えている。 2019.11.06/Wed.
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