中学時代!麻衣ちゃんとぼくのプロローグ

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 十分後。  三人の男子生徒ったら蒼い顔で地面に正座。  ずっと下向いたまま。  泣き声まで聞こえる。    「わたし、青涼高校二年。大黒麻衣(おおぐろまい)。名字聞いて思い出さない」  麻衣ちゃんったら自信満々の口調。  いつ聞いたってかっこいい!  「と、大阪地検の特捜検事・・・」  「ちゃんとテレビ見てるじゃない。わたしの母。  カレのお母さんもね。元特捜検事の弁護士。  日下由美子(くさかゆみこ)って知らない?」  「セ、セクハラやパワハラ裁判の・・・」  「カレのお母さん、特別視されるのイヤがって学校には自営業って報告して、名前も『通称』使ってるけど… バカやったね。  あいまいにするつもりないから。  学校やあんたたちの保護者がきちんと指導しなかったらどうなるか分かってる?」  「冗談!冗談だったんです」  赤毛の男子って涙声。まだ鼻血がポタポタ・・・  「ぜんぜん笑えない冗談なんだけど・・・  『宿題やれ』なんて」  「『エンタの神様』見て勉強します。許してください」  「ダメッ。もうすぐ生徒指導の先生が来るから」  麻衣ちゃん、僕の腕を取って歩き出した。  なんだか恥ずかしい。  でも嬉しい。  一緒に駅前通り歩くだけでウキウキする。  ステキな幼馴染に向かって、思わず大声出してた。    「麻衣ちゃんって正義の味方!かっこいい!」  「また麻衣ちゃんって。先輩って呼びなさい」  麻衣ちゃんったら怒ってるけど笑ってる。やさしく頭なでられた。  「四歳年上の高二の幼馴染に感謝しなさい」  「感謝します!」  「じゃあ、なにしてくれる?」  「一生・・・」  ちょっと緊張して立ち止まる。麻衣ちゃんがぼくのこと見てる。  ぼく、大きく深呼吸。  「一生、麻衣ちゃんから・・・」  「先輩でしょ」  「ごめんなさい!  一生、先輩から・・・」  ぼく、しっかりと麻衣ちゃんのこと見つめた。  「離れません。なんでも言うこと聞きます!」  言ってからすぐ下向いた。  麻衣ちゃん、怒ってるかな?  なんにも言わないもの・・・  やっぱり怒って・・・  急に麻衣ちゃんのカバンがぼくの目の前!なにも考えずにカバンを受け取る。  「約束したよ。カバン持って!」  麻衣ちゃんのこと見つめたら、ニコッて目を輝かせてる。  「ウソッ」  カバンを自分で持って、ぼくの手握ってくれた。  「小さいときからずっと隣同士で一緒だったんだ。これからだって!」  心ウキウキ!スキップして歩きたい気分。  今日って日がずっと続けばいいんだけど・・・
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