梅花高校のこと

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梅花高校のこと

 校門の近くで丸山君に声かけられた。  クラスメイト。地味系なぼくの数少ない友人。  別に彼だって、地味系なんかごめんだけど、結果的にそうなったみたい。  彼って結構、女子に声かけてる。  不屈の精神って見習わなきゃって思うんだ。  ぼくより背が高い。 ・・・っていうか、丸山君だって一メートル七十五センチだからそんなに高くないんだけど、ぼくって六十センチしかないもの!    「どこ行ってた。図書室から急に見えなくなって!」  「ちょっとね」  校門に向かって歩きながら聞いてみる。  「私立どこ受けるの?」  「梅花高校(べいかこうこう)だ。どうせそこ行くことになる」  「まだ分からないでしょう」  「学年十位以内のお前が言うなよ。ミジメになるだろ!」  「梅花高校か」  「お前とは無縁の学校だ。忘れろ」  「進学校でしょう」  「だいぶ変わった。アブナイ連中がウロウロしてる」  そうなの?  「ほらあいつ。危ないヤツだから・・・」  小声だけどよく聞こえます。  そばをクラスメイトの女子三人。  「丸山のヤツ。七瀬に声かけてんだよ。  自分のスタンス分かってるのかなって!」  「ビョーキじゃない?」  「ああいうのがストーカーやるんだから・・・」  いやな沈黙・・・    
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