中学時代!麻衣ちゃんとぼくのプロローグ

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中学時代!麻衣ちゃんとぼくのプロローグ

 毎日普通に過ぎればいいんだけど、そうならないことってあるんだ。  中部中学の正門出てしばらく歩いたところで、急に声かけられたんだ。  「中部中学一年一組。日下健君」  振り返ったらふたりの男子中学生。ぼくと同じだ。中部中学のバッジ。  ひとりが金髪にピアス。もうひとりって堂々とタバコくわえてるんだもの。  中学に見えるけど、実は六十三歳でしたってこと、たぶんないって思う・・・  見た目で判断しちゃいけないんですけど・・・  ぼくのこと見てニヤニヤ。  やっぱりフツーの人じゃないって思います。  「一学期の中間って学年十位だったよな」  「すげえなあ。オレなんて十一位だ。下から」  「オレら八組なんだけどサ。ちょっと助けて欲しいんだ。一緒に来てくれよ」  「ごめんなさい。ぼく用事あるんです」  嘘じゃないんだ。  弁護士の母。超多忙でほとんど帰らない。今月って確か大阪で新聞騒がせてるセクハラの民事裁判が大詰めだって・・・  ぼくって夕飯のおかず買って、帰ったら洗濯しながら食事つくって掃除も少しして・・・  一番大事なこと。深夜まで、期末テストと受験勉強があるんです。  あなたたちにつきあってられないんです。  早くその場から立ち去ろうってしたら、ぼくのすぐ前・・・  赤毛に長身の男子学生。  やっぱりこの人たちにつきあうことになりそう・・・  人気のない学校裏手の林。  カーテンの代わり。林の中の大木が十数本。  そして三人組に囲まれてる。  かすかに帰宅の生徒たちの声。  だけどあの子たちに、ぼくらの会話聞こえてない。  「宿題かわりにやればいいんだ」  赤毛の人に肩揉まれた。  「日下君と友だちになりたいんだよな。怒らせないでくれよ」  薄気味悪い笑い声。  ぼく、ずっと下向いてた。  でもハッキリ伝えた。  「イヤです。自分でやってください」  ホントのこと言うと、ぼく、  「ハイッ」 って大声出したかった。  だけど、平気でタバコ吸ってる男子の言いなりなんて絶対イヤだ!  なんとかがまんしてた。  でももう限界みたい。
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