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ハッとする。
「歓迎しないぜ」
首の右側。
チクッとする痛み。
ぼくのすぐ前。
カッターナイフが落ちる。
刃先が赤い。
首筋押さえる
指先が血で染まってる。指先から地面にポタポタ落ちる。
土の色が赤くなる。赤い草が生えてる。
振り返る。
二十メートルくらい離れてる。
背の高い女生徒が立ってる。
三人の女生徒が後ろに立っている。
ショートカットに整った顔立ち。ミニスカートからのぞく白くて肉付きのいい脚に黒のハイソックスが窮屈そう。。
でも笑わない方がいいって思うんだ。
それからなにかをじっと見つめないほうがいいって思う。
ごめんなさい。
だけどさ。
他人を見下したように少しゆがんだ口元。大きな目が、昼間というのにギラギラ光ってる。
金のイアリングがブラブラ風に揺れてる。
短すぎるスカートが揺れた。スケスケのレースのパンティ。パンティから白くて大きな太腿。
かっこいい。
この女性にまた会った。
「てめえを狙った」
つまらなそうな声。
「少しかすめるつもりったけど、手元ってすぐ狂うからな。
次は首の真ん中いくか!」
ぼく、かっこいい女性の方に向き直った。
しっかりと月影サキ先輩のこと、見つめた。
「てめえには、そう言うんだ。
先コーにはサ。
スカートのほつれ、切ろうってしたら手が滑ったことにするんだ。
不幸な事故だったってナ」
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