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「すごいぜ。この子!
あたしが英語、ぜんぜんダメッて知ってるんだ!
お前らもそう思うだろう」
先輩の呼吸が速く大きくなった。
「だけど王さんの部下がどうして英語が分かるって知ってた?
アメリカ人でもイギリス人でもねえだろう」
「地下社会の人たちですよね。
外国で仕事してるんなら、必ず英語はできます。
英語なら、どこの国の人間でもコミュニケーションが可能だから・・・」
って以前、警察庁にいる親戚のヨシ君に教えてもらったんだ。
「すげーなー。日下君!
知らねえのはあたしらだけか!
あたしってホントにバカだよな。
日下君だってそう思うよな」
先輩が一歩前に出た。
「あたしの学校だつて知ってた。
それでここ受けたんだろう」
ぼくのこと見下ろす。本当に先輩って背が高いんだ。
「はい・・・」
「どうして分かった!話せよ。いますぐ・・・」
「先輩に出会った場所。
林や林に面した道路。
学校から自宅までの近道でした。
いままで危険だなんて聞いたことなかったんです。
でも梅花高校に進学する予定の生徒が・・・」
丸山君、絶叫!
「ぼく、関係ありません。
この人と話したこと一度もありません!」
先輩、舌打ち!
「うるせえ。
おい!日下君!続けろ!」
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