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中学時代!麻衣ちゃんとぼくのエピローグ
六月末。日付も曜日も、天気だって覚えてるんだ。
ぼくのスマホのホーム画面。
TDLで麻衣ちゃんとふたりで撮った写真。あれから十日も経ってないのに・・・
麻衣ちゃんが引っ越す前の日。
麻衣ちゃんのお母さんは大阪地検特捜部の検事だった。
麻衣ちゃんは学業の関係でお父さんと東京にいたのに、急に大阪に引っ越すことになった。
その日が、麻衣ちゃんの家で勉強教えてもらった最後の日。
麻衣ちゃんの部屋で、ワンワン泣いた。
麻衣ちゃんは泣いてなかった。
黙って僕の様子見てた。
ぼく、自分の持ってる勇気、ぜんぶ使ったんだ。
「麻衣ちゃんのこと、大好きです!十八になったら結婚してください!」
麻衣ちゃんは僕の顔見てなかった。
「先輩でしょう。また忘れた」
ラッピングした箱を僕に手渡した。
「ボールペン!しっかり勉強して。
泣くだけが100点満点にならないようにね」
そう言って立ち上がる。
「明日の引越しの準備がある」
ぼくに、
「帰れ」
って心で言ってる。
「麻衣ちゃん」
泣いたまま、声かける。
「先輩と呼ぶように言った」
机の上の本とか箱に入れ始めた。
「日下君のお母さんに頼まれた。
『わたしも忙しいんで、健の姉さんになってくれない?』
母からも言われた。
年も離れてるから、ハッキリ言って迷惑だった」
それが別れの挨拶・・・
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