中学時代!麻衣ちゃんとぼくのエピローグ

3/5
前へ
/234ページ
次へ
 結局、タクシー使った。  次の日の昼。  昨晩から東京駅への行き方、詳しく調べた。  だけど乗り換えの駅で、どのホームか迷って乗り遅れた。  次の列車待ってたら、麻衣ちゃんの乗る新幹線は発車しちゃう。  タクシーに乗ったら途中で渋滞に巻き込まれ、やっと東京駅に着いた。  見送りの人がホームへどうやって入るとか、東京駅の内部の地図とか、一晩かかって調べた。  それなのに・・・  大阪行の新幹線ホームに入ったのは、発車五分前。  新幹線はもう停車中。  麻衣ちゃんってグリーン車に乗るって聞いた。  グリーン車の方へ一直線!  見覚えのある私服。  薄緑色のワンピースにピンクのショートソックス。  スラリとした脚!ショートソックスがピッタリなんだ!  だからすぐ分った。  左右見回してる  「麻衣ちゃん!」  大声で呼ぶ。  チラッとこちらを見た。ニッコリ笑って見えたのに、すぐに関心ないって目をぼくに向ける。  「どうして分かったの?母には連絡とれないでしょう」  「ぼくの母に連絡とりました。  いま、大阪にいます。  おばさんと一緒に大阪駅へ麻衣ちゃんを迎えに行くって・・  迎えに行く時間から逆算しました」    麻衣ちゃん、首をかしげた。  「そう・・・」  ぼくなんか関心ない顔でグリーン車に乗り込んだ。  「麻衣ちゃん!」  もう一度呼ぶ。  返事はなかった。  新幹線の扉が閉まった。  麻衣ちゃんの心みたいに・・・  新幹線ってすぐホームから消えた。  ずっと立ってた。  新幹線って、もう戻って来ないのに・・・  涙が流れた。  だけどいつも慰めてくれた麻衣ちゃん、もういないんだ・・・        
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加