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友実「連れて来ましたー」
涼子「遅い、毎度毎度の事ながら、お前のせいで会議が遅れていることを自覚しているのか?藍」
それが自分に向けられた言葉だと理解はしていても、気だるげな藍は窓の外を見たままだった。
玲心「そんなこと言ったっていつもそんな感じじゃないですか。ちゃーんっと言われたことをやれば良いんだから良いじゃないですか」
藍を睨む先生に割って入ったのは棒付きの飴を舐め両足を机の上に乗せて椅子でバランスをとる玲心。
頭を抱えながら「お前の態度も問題だけどな」っと続ける先生の前を通りすぎ二人とも席についた。
涼子「対戦相手が決まり、対戦表も出た。国の代表を決める試合だ。お前達にまた全てを委ねることになりそうだ。」
そこからまた長々と続く話には目もくれず藍は先程屋上で濡れて顔にくっつく髪が気になり毛先をイジイジと弄りながら少し苛立っていた。
「シャワー浴びたい。」ぽそっと呟いた。
涼子「以上だ。各自自室に戻り遺書をしたため着替えを済ませろ。今日は皆様お集まりになられる。失礼のないように。もう一度言う失礼のないようにな。そして藍が逃げたら連帯責任だ。ちゃんと連れてこい。以上だ。解散」
各々のブスくれた顔が気になったのだろう。念をしされた。
そう言って足早に先生は部屋を出ていった。
由希「ところで藍はまた屋上?」
友実「ピンポーン」
玲心「やっぱりね、他に行くところないわけ?」
藍「思い付かない。でもあそこが落ち着く。」
由希「落ち着くところがあるだけ藍はまともだよ。」
理央「私はパソコン弄ってれば落ち着くけど?」
由希「それはまた別~」
玲心「もはや性癖」
友実「性癖!?」
理央「変態ってこと!?」
玲心「そうとも言えるね」
笑いながら自室に向かい歩き出す。
端から見れば普通の中学生だろう。
彼女達も世界も普通であることを望んでいた。
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