元気か~? ~僕と彼女の往復書簡~

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なにかはなむけの言葉をみんなで、ということで、色紙が回ってきた。中央に、友情と丸で囲ってあって、そのまわりを放射状に各々一言づつ、忘れないよ、だのがんばれだの、なんだか宙に浮いたような言葉がならんでいた。 僕はなにか気のきいた言葉をかきたかったが、いくら考えても浮かんでこない。 結局いつもの 元気か~? と書いた。なんだかやりきれなかった。 季節はもう、マフラーの出番のくるころになっていた。 白い吐息を撒き散らしながら、僕は意味なく学校横の土手をめちゃくちゃに走った。 深谷がいなくなった。そのことが心に痛んで押さえきれなくなった。 ハァ…ハァ… 荒い息をしながら、呟いた。 『特別に仲が良かったわけでもないじゃないか』自分に言い訳してみた。それでもなんだか、もやもやがとれなかった。でもどうしようもない。
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