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もちろんのこと…あなたも、ご存知ではありましょう。
この地上には、それこそ、数えきれないほどに…美しいものが存在するということを。
けれども…ただの一目で、こころさえ奪われてしまうほどに…それほどまでに美しいものを、あなたははたして、目にしたことがおありでしょうか…?
ひとつだけなら…ええ、ひとつだけならば…そのようなものを、私は知っています。
『月光珠』…。
いつの頃からか、そのような名が…それには与えられていたもののようです。
すなわち…天球にきらめく、あの満月のように…気高く美しい、一玉の宝珠…と。
ですが…その神秘なる美しさを…ああ、私はあなたに、どのようにお伝えすればよいのでしょう…!
地上のどんな宝石も及ばないほどの、その澄み渡ったかがやきを…。
永久に融けることのない氷のような、その冴え冴えとしたまばゆさを…。
どうしても、たとえが必要であるのなら…そう…。
『美の神ミューズが、持ち前の気まぐれをもって、この地上にひとつだけ、与え授けてくれたもののような』…とでも申し上げるほかには、この私には、言葉の述べることが叶わないのです…。
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